うつわの世界～食材の“色”をすべてひきたてる～

もし「お弁当のおかずといえば？」という質問に答えるとしたら、日本人はだし巻き玉子（玉子焼き）を真っ先に思い浮かべるのでは？　それくらい身近な料理ですが、一品料理としては少し洒落て登場させたいですね。
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出汁巻き玉子を盛りつけたのは、齋藤有希子氏の長角皿。玉子の黄色、葉の緑、大根おろしの白、はじかみの紅…すべての色が映える黒を選びました。
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これに合わせる酒器は、同じ黒色の大胡琴美氏の片口です。とはいえ、上部が黒なだけで下に向かってマーブル模様のように色が変化しています。こちらは焼き締めでつくられているとのことで、同氏の作品としては珍しいタイプなのだそう。

そしてぐい呑みですが、ちょっと目先をかえて骨董の茶托に乗せてみました。ぐい呑みは土本訓寛氏と土本久美子氏の作品。訓寛氏がかたちをつくり、久美子氏が模様を施しているのだそう。これは葉のモチーフが描かれ緑釉がかけられたもの。どことなくアジアンな雰囲気が、このコーディネートの良い“抜け感”をつくってくれたのです。