うつわの世界~手づくりのあたたかみと薪釜の味わい 山本亮平のぐい呑み~
有田の陶芸作家・山本亮平氏のぐい呑み。…ぐい呑みというより猪口に近い小ぶりな作品です。
外側に入っているいくつもの縦のラインは、鎬(しのぎ)といわれるものだそう。これは、ヘラなどの工具をつかって削る稜線文様(りょうせんもんよう)。ギャラリーの方のお話に耳を傾けながら外側のこの線を眺めていると、絶妙に不揃いな間隔の縞に手づくりならではのあたたかみが伝わってくるような気がします。
また、外側にかけられている釉薬も瑠璃釉(るりゆう)だそうで、オリジナルの珍しいものとのこと。さらに、このぐい呑みは白磁のため現代では電気窯を使うことが多いのだそうですが、1600年代の昔の有田焼の風合いを出したいために薪釜で焼いたのだそう。
その証拠といっていいのでしょうか? 内側をのぞいてみると、窯の中で飛んだと思われる灰が、ほんの少し自己主張しているように見えるのです。
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東京店 GALERIE AZUR(ぎゃるりあじゅーる)
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