うつわの世界～中里太郎右衛門窯・斑唐津のぐい呑み～
タイトルにあるように、“中里太郎右衛門窯（なかざとたろうえもんがま）”、“斑唐津（まだらからつ）”とくれば、こういった焼き物に詳しい方なら興味津々となるかもしれません。
この作品は、その美しい円形の飲み口や全体的にすっとしている形など、とても上品なたたずまいを感じます。斑唐津というくらいですから斑模様が出ているわけですが、それも楚々とした雰囲気のように見えたりするのです。
ただ、さらっと眺めて「綺麗なぐい呑み」では済みませんでした。釉薬（釉薬）がかかった、艶のある部分は、グレーがかかった青（水色）や薄茶色が混じり合い、中を覗き込めばくるっと巻かれた轆轤目（ろくろめ）とかすかに見える土の茶色にちょっとした躍動感を覚えます。それでは…？とひっくり返してぐい呑みの底に触れてみると、かすかにざらつく土の感触がとても心地よいのです。
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