うつわの世界~伝統と斬新さ 備前焼のコーディネート~
ちょっとした酒のつまみとしてぴったりの「くわい」と「銀杏」を揚げた料理。ほんのりとした黄色を美味しそうにみせるためのコーディネートがこちらです。(このレシピの記事はこちら)
メインの六角皿は、中原幸治氏の作品。中央には備前焼らしい緋襷(ひだすき)がかかっています。そして、六角の辺には飴釉がかけられているとのこと。裏を返しても同じようにほどこされていました。縁に流れ溜まった釉薬が本物の飴の焦げ色のようで、よい香りがただよってきそうでもあります。
酒器は、戸川博之氏の片口と横山伸一氏のぐい呑みを揃えました。
片口は酒を注ぐときに指がおさまるようなへこみが片方つくられています。その逆側は、灰かぶりのざらざらとした色と手触りです(底から撮った写真の上側が灰かぶり部分)。手にしたときのそれぞれの指の触感が微妙に違うのが面白くもあります。
そして、このぐい呑みはギャラリーの方曰く「備前で言う、一番良い“焼き”」だそう。ぐい呑みの中央に小さめのぼた餅(焼き色がつかないよう、うつわの上に乗せる丸くした土)を置き、そのまわりに灰が飛んでいます。ぼた餅を置いた下には緋襷(ひだすき)が残っており、これは酒を注いだときにきれいな見込みが楽しめそう。
しっとりとした備前焼のトーンは同じながら、それぞれに窯の中のドラマが垣間見える作品たち。料理と酒を愉しみつつ、うつわに思いを馳せる時間もまたいいものです。
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ギャラリー夢幻庵 銀座店
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