うつわの世界~木や花、葉の自然の色をコーディネート~
年中身近にある大根ですが、特に秋から冬にかけてはみずみずしさと甘みが増すと言われています。今回、この大根を油揚げと一緒に切り株のようにする「年輪大根」をつくりました。
(このレシピの記事はこちら)
年輪大根そのものは、出汁と醤油のいわゆる“地味目”な色。もりつけるうつわで華やかさを足すこともできたのですが、ここはぐっと抑えめにします。RyoteiStyleJPが選んだのは、小林耶摩人氏の鉢。灰釉がほどこされた自然で落ち着いた色が、しっくりきました。
こちらの鉢は、笠間の土でつくられたもの。高台が小さく、スッとした放射状のラインが美しい作品です。笠間の土は砂気が多いらしく成形しづらいとのことで、そう言われてみると、しっかりとした厚みがあるのですが、全体的にとてもスリムに洗練されてみえるのです。
さて、このうつわに年輪大根を盛りつけ、これを木(切り株)に見立てて彩りに花(食用花)を散らします。この彩りを目立たせておくには、酒器の色も渋くしておきましょうか。片口は木曽志真雄氏の、こちらも灰釉がかけられたもの。小林氏の鉢と同じくスリムなイメージです。
(木曽志真雄氏の片口についてはこちら)
鉢と片口が、わりと高さのあるうつわが並んだところで、ぐい呑みは、あえて平らなタイプを合わせます。 荒賀文成氏の粉引の白が映えるこちらの作品。ただ眺めているだけでもそうですが、酒を注ぐと一層しっとりとした風合いが伝わってきたのが感動でした。
ちなみに、片口を花瓶代わりにして花を生けました(こちらも木曽志真雄氏の作品)。料理や酒を愉しむ際、うつわのある視界に花の色が添えられていると、ふわっと気持ちが華やぎますね。
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ギャラリー宙(そら)
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