うつわの世界~廣田硝子のあられの丸皿~
まるで真ん丸のぷっくりした水滴がたくさんふりそそいだような、大小のドットが特徴的なシリーズです。これは「あられ文様」といって、日本古来の模様だそう。ガラスから話はそれますが、南部鉄器もこの文様がよく見られますね。
さて、こちらの丸皿。じつは廣田硝子の廣田達朗社長が随分思い入れがあるとのことで…。なんでも社長になってから初めてつくったシリーズなのだそう。このかたちをとるための金型をつくってくれる職人を探すだけでも一苦労で、けれど、どうしてもつくりたくて…というわけで、もちろん、あられ文様を出すための金型の穴もひとつひとつ手彫りです。
よく見れば、あられ文様だけではありませんでした。中央に描かれているのは菊の花のモチーフ。裏を返せば高台も花のかたちになっています。白のうつわはソーダガラスを使い乳白色を出し、古代色と言われる薄黄色のタイプはセミクリスタルといって、少し鉛を混ぜているのだそう。
乳白色の涼しげな雰囲気も捨てがたいし、古代色のきらきらした感じにもうっとり。使う人のイメージでお料理やお菓子をのせたり、アクセサリー置きにしたり、ずっと大切につかいたくなる作品たちです。
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廣田硝子株式会社
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